キューバ

“パーティーの女王”と呼ばれるメキシコのカンクンから、カリブ海に浮かぶキューバの首都ハバナへ。1956年にチェゲ・ゲバラとフィデロ・カストロたち反乱軍82人名が7人乗りグラマン号で渡った海を、21世紀の旅人kenは空席の目立つ150人の乗客とインテルジェット(メキシコの航空会社)のエアバスA320で空から超える。距離941キロメートル、時間にして1時間。カンクンからメキシコシティへ行くよりも近い。そこで待ち受けていたものは、まるでタイムカプセルで保存していたかのような時が止まった世界。

博物館に飾ってあるようなミッドセンチュリー年代のクラッシックカーが舗装もままならない道を走り、バックミラーをのぞけば、コロニアル様式の建物が見える。村上龍も絶賛するキューバ音楽をBGMに、モヒートで喉を潤し、葉巻を吹かす。ニュー・イヤーズ・イブは、地元の家庭でキューバにしては贅沢なキューバ料理をいただいた。新年を迎えると同時に家のベランダから道を歩く人に水をかけるのがキューバの伝統行事。暗闇のストーリーでは、ひび割れたスピーカーの音にのって明け方まで踊り倒す。

1月は、ハバナから、ビニャレス、シエンフエゴス、トリニダード、モロン、カヨココ、サンタクララと旅をした。しばらく忘れられない風景と想い出でいっぱいだ。どこを撮っても映画のセットのようにフォトジェニックで、どこへ行ってもフレンドリーなキューバ人が迎えてくれた。中でも一番よかったのは、ハバナでもトリニダードでもなく、サンセットを見に行ったココ島の帰り道。キューバ島と結ぶ橋を挟む両面の海は、まるで湖のように穏やかで鏡のように空と雲を反射させ幻想的な天国へ続く橋。旅の途中で偶然見つけた景色だからなおさら感動が大きい。「世界23周の旅人が選ぶ死ぬまでに行きたい絶景23」にランクインした。ウユニ塩湖を彷彿させる鏡面の秘境は、そのうち”キューバのウユニ塩湖”なんて紹介され観光客で溢れかえってしまうだろう。

キューバは2015年以降、アメリカとキューバの国交が回復し歴史的な転換期を迎えている。古き良き時代のキューバが変わる前にと多くの旅行者が訪れている。世界で2つだけのコカ・コーラが公式に売っていない国(もう一つは北朝鮮)。まだマクドナルドやスターバックスにも侵食されていない。田舎のスーパーの品揃えは富士山の売店より少なく、ミルクを買おうにも1銘柄しかない。インターネットを使えるのは公園のホットスポットのみ。旅行者とグローバリゼーションの影響を受け資本主義国のような中国やベトナムとは全く違う、時計の針が止まったままの第三世界の社会主義国の姿がある。「世界23周の旅人が選ぶ今すぐ行きたい国23」ランキング堂々の1位。

 

仮想通貨

キューバには、旅行者用のCUCと現地人用のCUPと呼ぶ二つの通貨が存在する。インターネットがまだ普及していないキューバで、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)といった仮想通貨はまだその存在すらほとんど知られていない。そんな圏外のキューバで、昨年から日本でも話題になり質問をよくされる未来の通貨について私見を伝える。今回は敢えて専門用語を使っている。”ハードフォーク”の意味がわからないうちは手を出すなという目安にして欲しい。

仮想通貨がFX、株、不動産などと同じ文脈で語られることが多いけど、本質はそこではない。5年ぐらい前から興味を持ってるけど、だいぶ違う物事の見方をしており未来を知る投資や遊びとしておすすめしてる。ブロックチェーンの技術や貨幣の革新という視点でおもしろい。本来の仮想通貨の魅力は非中央集権型で手数料や簡単さ、銀行の海外送金を過去のものにする点とかなのに。ブロックチェーンの仕組みはすでに様々な世界で採用されはじめている。ホモサピエンスが貝殻の通貨を生み出してからデジタル通貨に変わる歴史的瞬間を体験できるのだ。仕組みをわかってない人やチャートが気になってセルフコントロールできない人は消耗するだけなので手を出さないほうがいい。

ギャンブラーなら、カジノより勝率は高く、ボラティリティも高くレバレッジをあげるとロスカットされチキンレースであるリスクを理解し余剰資金でやる分には好きにしたらいい。高額商材やセミナーの詐欺師なら、アルトコインで情報弱者を騙して一番確実に儲けることができるだろう。クラッカーなら、銀行並みのセキュリティが必要なはずの取引所は、銀行より少人数小資本の経営陣がインターネットにむき出しで運営しており、腕に自信があれば一攫千金を得れるかもしれない。資産家なら、51%アタックをして仮想通貨の世界を支配できるかもしれない。エンジニアならスプレッドやアビトラージを狙ったボットを開発したりを電気代との戦いであるマイニングを世界規模で稼ぐのもいい。経営者ならゴールドラッシュにおけるバケツやスコップを売ればビジネスチャンスがある。暗号通貨の捉え方でその人となりを知ることもできる。世界中のクレイジーな仲間にも出会える。

日本という閉ざされた世界を飛び出し、日本的教育や常識から脱出すると世界は変わる。同じようにお金の常識から解放されたら、見える景色が変わる。世界を旅していると、キューバのように経済は貧しくとも心は幸せに暮らす人々に出会うとお金の価値はどんどん低くなる。ギリシャの国家破綻破綻やベネズエラのハイパーインフレを知ると、日本銀行券も楽天ポイントもビットコインも似たようなものに見えてくる。お金は何かをするときに便利だし、不幸を回避するために必要である。しかし、いつ消えてなくなるかわからないお金を貯めるより、いつまでも自分の中で生き続ける知識や技術や人脈や経験を貯めることを選んだら、もっと違う未来に変わる。そんなことを実験しながら世界23周の旅をしている。

Change The Future…

Author Profile

Ken UtsumiCEO / Art DirectorTwitter:@u23ken
住所不定のノマドライフ、職業不明のトラヴェラー、無国籍のコスモポリタン。旅しながら仕事x勉強x趣味x恋愛。Future Life/Work《未来の生き方/働き方》に挑戦。ヒト・アイデア・夢をつなぐHUB。留学・クリエイティブ・ITを支援。神戸生まれサッカー馬鹿。『World Odyssey: 世界23周の旅』5周目。